宅建 令和2年度(2020年)問46 税・その他 の解説
問題
次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 機構は、証券化支援事業(買取型)において、金融機関から買い取った住宅ローン債権を担保としてMBS(資産担保証券)を発行している。
- 機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金については、元金据置期間を設けることができない。
- 機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権については譲受けの対象としていない。
- 機構は、貸付けを受けた者とあらかじめ契約を締結して、その者が死亡した場合に支払われる生命保険の保険金を当該貸付けに係る債務の弁済に充当する団体信用生命保険を業務として行っている。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。住宅金融支援機構法第17条第1項第1号により、災害により住宅が滅失した場合の貸付金については、被災者の負担軽減のため、元金据置期間を設けることができると明確に定められています。「設けることができない」とする選択肢2の記述は、この規定に反するため誤りです。
**住宅金融支援機構法 第17条第1項第1号** 「機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けについては、元金の据置期間を設けることができる。」 (補足説明)この条文は、災害で被災した方々が住宅を再建・購入する際の経済的負担を軽減するため、一定期間、元金の返済を猶予する制度(元金据置期間)を設けることを機構に認めています。これにより、被災者は当面の生活再建に集中しやすくなります。 **住宅金融支援機構法 第13条第1項第1号** 「金融機関が住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けを行う場合において、当該貸付けに係る債権を機構が譲り受けることにより、当該金融機関による当該貸付けを支援する業務」 (補足説明)これは証券化支援事業(買取型)の根拠条文です。機構が金融機関から住宅ローン債権を買い取り、金融機関の資金繰りを支援する仕組みです。 **住宅金融支援機構法 第13条第1項第2号** 「前号の規定により譲り受けた債権を担保として、債券を発行する業務」 (補足説明)機構が買い取った住宅ローン債権を裏付けとしてMBS(資産担保証券)を発行し、投資家から資金を調達する業務の根拠です。 **住宅金融支援機構法 第13条第1項第5号** 「貸付けを受けた者が死亡した場合に支払われる生命保険の保険金を当該貸付けに係る債務の弁済に充当する団体信用生命保険に関する業務」 (補足説明)団体信用生命保険(団信)の業務に関する根拠条文です。債務者が死亡した場合に保険金でローン残高が弁済されることで、残された家族の負担を軽減します。
【選択肢1】正。 住宅金融支援機構は、その主要業務の一つである証券化支援事業(買取型)において、金融機関が貸し付けた住宅ローン債権を買い取ります。そして、買い取ったこれらの債権を担保として、MBS(Mortgage-Backed Securities:住宅ローン担保証券)を発行し、投資家から資金を調達しています。これにより、金融機関は新たな住宅ローンを供給する資金を得ることができ、住宅市場への資金供給が円滑に行われる仕組みです。これは住宅金融支援機構法第13条第1項第1号および第2号に規定されており、機構の重要な役割の一つです。 【選択肢2】誤。 住宅金融支援機構は、災害により住宅が滅失した場合における、その住宅に代わるべき住宅の建設または購入に係る貸付金について、元金据置期間を設けることができます。これは、被災者の経済的負担を軽減し、生活再建を支援するための措置であり、住宅金融支援機構法第17条第1項第1号に明確に定められています。「元金据置期間を設けることができない」とする本記述は、この規定に反するため誤りです。被災者は、一定期間、元金の返済を猶予されることで、当面の生活費や再建費用に充てる資金を確保しやすくなります。 【選択肢3】正。 住宅金融支援機構の証券化支援事業(買取型)は、主に「自己居住用」の住宅の建設または購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権を譲受けの対象としています。賃貸住宅は、投資用不動産としての性格が強く、一般の自己居住用住宅ローンとは異なるため、原則として証券化支援事業(買取型)の譲受けの対象とはしていません。機構の業務細則等でも、買取対象となる住宅ローン債権の要件が定められており、賃貸住宅はこれに該当しないのが一般的です。したがって、「譲受けの対象としていない」とする本記述は正しいです。 【選択肢4】正。 住宅金融支援機構は、貸付けを受けた者が死亡した場合に、その生命保険の保険金をもって当該貸付けに係る債務の弁済に充当する団体信用生命保険(団信)に関する業務を行っています。これは、住宅ローン契約者が万一死亡または高度障害状態になった場合に、残された家族がローンの返済に困窮することのないよう、保険金で残債が弁済される制度です。フラット35などの機構の貸付金においても、この団体信用生命保険への加入が推奨されており、住宅金融支援機構法第13条第1項第5号にその業務が規定されています。