宅建 令和2年度(2020年)問38 宅建業法 の解説

問題

次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Aは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、宅地建物取引士をして記名押印させなければならない。
  2. Aは、甲住宅の価額について意見を述べる場合、Bに対してその根拠を口頭ではなく書面で明示しなければならない。
  3. Aは、当該媒介契約を締結した場合、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。
  4. Aは、媒介契約の有効期間及び解除に関する事項を、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。

正解

正解は選択肢 4 です。

解説

正解は選択肢4です。宅地建物取引業法第34条の2第1項に基づき交付される媒介契約書面には、媒介契約の有効期間や解除に関する事項など、依頼者とのトラブル防止のために重要な情報が記載されることが義務付けられています(同条第2項および施行規則第15条の2)。

【宅地建物取引業法 第34条の2第1項】 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は賃借の媒介の契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成し、記名押印して依頼者に交付しなければならない。 【宅地建物取引業法 第34条の2第2項】 前項の書面には、国土交通省令で定めるところにより、媒介契約の有効期間、解除に関する事項その他の事項を記載しなければならない。 【宅地建物取引業法施行規則 第15条の2】 法第34条の2第2項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。 一 媒介契約の有効期間及び解除に関する事項 (以下略) 【補足説明】 媒介契約書面は、宅建業者が依頼者と媒介契約を結んだ際に、その契約内容を明確にするために交付する重要な書面です。特に有効期間や解除に関する事項は、後々のトラブルを防ぐ上で不可欠な情報であり、法律で記載が義務付けられています。

【選択肢1】誤。 法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき媒介契約書面への記名押印は、「宅地建物取引業者」が行うこととされています。具体的には、法人の場合はその代表者、個人の場合はその本人です。宅地建物取引士が記名押印を義務付けられているのは、重要事項説明書(法第35条)と37条書面(契約書面、法第37条)です。媒介契約書面は、宅建士の記名押印は不要であり、宅建業者の記名押印が必要です。この点を混同しないように注意しましょう。 【選択肢2】誤。 宅地建物取引業法第34条の2第3項には、「宅地建物取引業者は、前項の規定により宅地又は建物の価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」と規定されています。この条文では、根拠を「書面で」明示する義務までは課されていません。口頭で根拠を明示することでも、この規定は満たされます。ただし、実務上はトラブル防止のため書面で残すことが一般的ですが、法律上の義務ではないため、本選択肢は誤りとなります。 【選択肢3】誤。 指定流通機構(レインズ)への登録義務があるのは、専任媒介契約と専属専任媒介契約を締結した場合に限られます(法第34条の2第5項)。一般媒介契約には、指定流通機構への登録義務はありません。本選択肢では「当該媒介契約」とあるだけで、媒介契約の種類が特定されていません。したがって、すべての媒介契約において登録義務があるかのような記述は誤りです。媒介契約の種類によって義務の有無が変わる点をしっかり押さえましょう。 【選択肢4】正。 宅地建物取引業法第34条の2第2項および同法施行規則第15条の2第1号により、媒介契約の有効期間及び解除に関する事項は、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき媒介契約書面に記載しなければならない事項として明確に定められています。これらの事項は、依頼者と宅建業者との間で契約内容を明確にし、将来的な紛争を避けるために非常に重要な項目です。したがって、本選択肢の記述は正しいです。

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