宅建 平成30年度(2018年)問36 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者Aが免許の更新の申請を行った場合において、免許の有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、Aの従前の免許は、有効期間の満了によりその効力を失う。
- 甲県に事務所を設置する宅地建物取引業者B(甲県知事免許)が、乙県所在の宅地の売買の媒介をする場合、Bは国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。
- 宅地建物取引業を営もうとする個人Cが、懲役の刑に処せられ、その刑の執行を終えた日から5年を経過しない場合、Cは免許を受けることができない。
- いずれも宅地建物取引士ではないDとEが宅地建物取引業者F社の取締役に就任した。Dが常勤、Eが非常勤である場合、F社はDについてのみ役員の変更を免許権者に届け出る必要がある。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。これは、宅地建物取引業法第5条第1項第2号に規定される「欠格事由」に該当するため、懲役の刑に処せられ、その刑の執行を終えてから5年を経過しない者は、宅地建物取引業の免許を受けることができないとされているからです。
【宅地建物取引業法 第3条第2項(免許の更新)】 免許の更新の申請があった場合において、有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の免許は、その有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有するものとみなされます。これを「みなし更新」と呼びます。 【宅地建物取引業法 第3条第1項(免許の基準)】 宅地建物取引業の免許は、事務所を設置する都道府県の数によって免許権者が異なります。一つの都道府県内にのみ事務所を設置する場合はその都道府県知事、二つ以上の都道府県に事務所を設置する場合は国土交通大臣が免許権者となります。取引を行う場所は免許権者とは関係ありません。 【宅地建物取引業法 第5条第1項第2号(欠格事由)】 宅地建物取引業の免許を受けられない者(欠格事由)の一つとして、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者が挙げられています。懲役刑は禁錮以上の刑に含まれます。 【宅地建物取引業法 第11条第1項(変更の届出)】 宅地建物取引業者は、その役員(法人の場合)に変更があったときは、遅滞なく、その旨を免許権者に届け出なければなりません。この届出は、役員の常勤・非常勤の別や、宅地建物取引士であるか否かにかかわらず、すべての役員が対象となります。
【選択肢1】誤。宅地建物取引業者Aが免許の更新の申請を行った場合において、免許の有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときでも、Aの従前の免許は、有効期間の満了によりその効力を失いません。これは宅地建物取引業法第3条第2項に規定される「みなし更新」の制度によるものです。更新申請が適法に行われていれば、免許権者の処分が遅れても、その処分がされるまでの間は従前の免許が有効であるとみなされます。したがって、記述は誤りです。 【選択肢2】誤。宅地建物取引業者Bが甲県知事免許を受けているのは、Bが甲県内にのみ事務所を設置しているためです。宅地建物取引業の免許は、事務所を設置する都道府県の数によって免許権者が決まります(宅地建物取引業法第3条第1項)。取引を行う宅地の所在地は、免許権者とは関係ありません。したがって、甲県知事免許のBが乙県所在の宅地の売買の媒介をする場合でも、乙県に新たに事務所を設置しない限り、国土交通大臣に免許換えの申請をする必要はありません。記述は誤りです。 【選択肢3】正。宅地建物取引業を営もうとする個人Cが、懲役の刑に処せられ、その刑の執行を終えた日から5年を経過しない場合、Cは宅地建物取引業の免許を受けることができません。これは、宅地建物取引業法第5条第1項第2号に定める欠格事由に該当するためです。懲役刑は「禁錮以上の刑」に含まれ、その刑の執行を終えてから5年間は免許を受けることができないとされています。したがって、記述は正しいです。 【選択肢4】誤。宅地建物取引業者F社において、DとEが取締役に就任した場合、F社はDとEの両方について役員の変更を免許権者に届け出る必要があります。宅地建物取引業法第11条第1項により、宅地建物取引業者は、その役員に変更があったときは、遅滞なくその旨を免許権者に届け出なければなりません。この届出は、役員が常勤であるか非常勤であるか、また宅地建物取引士であるか否かにかかわらず、すべての役員が対象となります。Dについてのみ届け出ればよいとする記述は誤りです。