宅建 平成26年度(2014年)問49 税・その他 の解説
問題
土地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 旧河道は、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が高い所である。
- 地盤の液状化は、地盤の条件と地震の揺れ方により、発生することがある。
- 沿岸地域は、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要である。
- 台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、安全である。
正解
正解は選択肢 4 です。
解説
正解は選択肢4です。台地や丘陵の縁辺部は、崖や急斜面を形成していることが多く、豪雨などにより地盤が緩むと、崖崩れや土石流といった土砂災害の危険性が高まります。したがって、「安全である」という記述は明らかに不適当です。宅地建物取引業者は、取引対象となる土地の災害リスクに関する正確な知識を持ち、買主等に適切な情報提供を行う義務があります(宅地建物取引業法第35条の重要事項説明義務の背景にある専門知識)。
本問は、特定の条文を直接問うものではなく、宅地建物取引業者が宅地を扱う上で必須となる「土地の性質」や「災害リスク」に関する一般的な知識を問うものです。これは、宅地建物取引業法第35条の重要事項説明において、宅地造成等規制法や土砂災害警戒区域等における土砂災害対策の推進に関する法律(通称:土砂災害防止法)に基づく制限事項の説明が求められることからも、宅建士として備えるべき基礎知識と位置づけられます。特に、宅地建物取引業法第35条第1項第14号(法令に基づく制限)や、同法第35条第1項第15号(その他宅地または建物の形状、構造等に関する事項)の説明義務を果たす上で、土地の安全性に関する理解は不可欠です。
【選択肢1】正。旧河道(きゅうかどう)とは、かつて川が流れていた場所を指します。このような土地は、一般的に周囲よりも低地であり、河川が運んだ砂や泥が堆積しているため、地盤が軟弱な傾向にあります。軟弱地盤は地震の揺れを増幅させやすく、液状化のリスクも高まります。また、洪水時には、かつての流路に戻ろうとする性質があるため、浸水被害を受けやすい特性があります。したがって、地震や洪水などによる災害を受ける危険度が高い場所であるという記述は正しいです。 【選択肢2】正。地盤の液状化とは、地震の強い揺れによって、地下水位の高い砂質の地盤が一時的に液体のように振る舞い、建物の沈下や傾斜、地中構造物の浮上などを引き起こす現象です。この現象は、主に「地下水位が高い緩い砂層の地盤」という地盤の条件と、「強い地震動が長時間続く」という地震の揺れ方の条件が重なることで発生します。したがって、地盤の条件と地震の揺れ方により発生することがあるという記述は正しいです。 【選択肢3】正。沿岸地域は、海に面しているため、津波(地震によって引き起こされる巨大な波)や高潮(台風などによる気圧の低下と強風によって海水面が異常に上昇する現象)の直接的な被害を受けやすい特性があります。これらの災害から身を守るためには、自分が住む宅地の標高をハザードマップなどで確認し、安全な高台への避難経路を事前に把握しておくことが極めて重要です。したがって、津波や高潮などの被害を受けやすく、宅地の標高や避難経路を把握しておくことが必要であるという記述は正しいです。 【選択肢4】誤。台地や丘陵の縁辺部とは、台地や丘陵の端、つまり崖や急斜面になっている部分を指します。このような場所は、地盤が不安定なことが多く、特に豪雨によって土砂に大量の水分が含まれると、土の抵抗力が低下し、崖崩れや土石流といった土砂災害が発生しやすい危険な場所です。宅地造成等規制法や建築基準法などにより、崖地の近くでの建築には厳しい制限が設けられていることからも、その危険性が伺えます。「安全である」という記述は、これらの事実と矛盾するため、不適当です。