宅建 平成24年度(2012年)問3 権利関係 の解説
問題
次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。
- 意思能力を欠く状態でなされた意思表示が無効である旨
- 契約締結に当たって当事者が基礎とした事情に変更が生じた場合に、当事者は契約の再交渉を求めることができる旨
- 保証契約は、書面でしなければその効力を生じない旨
- 物の瑕疵とは、目的物が備えるべき性質、品質を備えていないことである旨
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。保証契約が書面でなければ効力を生じない旨は、民法第446条第2項に明確に規定されています。他の選択肢に示されている内容は、民法の条文には直接の規定がなく、判例法理や学説によって確立された概念であるため、誤りとなります。
民法第446条第2項:保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。 (補足説明)この規定は、保証人が安易に保証契約を締結して不測の損害を被ることを防ぐため、保証人を保護する目的で設けられた要式行為の規定です。口頭での保証契約は無効となります。なお、同条第3項により、書面には電磁的記録(電子メールやデータファイルなど)も含まれます。
【選択肢1】誤。 意思能力を欠く状態(例えば、泥酔状態や幼児など)でなされた意思表示が無効であるという考え方は、民法の条文には明文の規定がありません。これは、判例によって確立された「意思能力の欠如による無効」という法理です。民法には行為能力(未成年者や成年被後見人など)に関する規定はありますが、意思能力そのものに関する規定はない点に注意が必要です。 【選択肢2】誤。 契約締結に当たって当事者が基礎とした事情に、契約後に予期せぬ変更が生じた場合に、当事者が契約の再交渉を求めることができるという「事情変更の原則」は、民法の条文には規定されていません。これも判例によって限定的に認められることがある法理であり、その適用は非常に厳格です。宅建試験においては、民法に明文の規定がないことをしっかりと押さえておきましょう。 【選択肢3】正。 保証契約は書面でしなければその効力を生じない旨は、民法第446条第2項に明確に規定されています。これは、保証人が安易に保証契約を締結して不測の損害を被ることを防ぐための、保証人保護を目的とした要式行為です。口頭での保証契約は無効となります。また、同条第3項により、書面には電磁的記録も含まれるとされています。 【選択肢4】誤。 「物の瑕疵」とは、目的物が備えるべき性質や品質を備えていないことである旨は、民法の条文には明文の規定がありません。民法は、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)として、目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合に、買主が追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除をできる旨を規定しています(民法第562条以下)。しかし、「瑕疵」という言葉の具体的な定義自体は、条文ではなく学説や判例によって解釈される概念です。