宅建 平成24年度(2012年)問27 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 免許を受けていた個人Aが死亡した場合、その相続人Bは、死亡を知った日から30日以内にその旨をAが免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
  2. Cが自己の所有する宅地を駐車場として整備し、賃貸を業として行う場合、当該賃貸の媒介を、免許を受けているD社に依頼するとしても、Cは免許を受けなければならない。
  3. Eが所有するビルを賃借しているFが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、Eは免許を受ける必要はないが、Fは免許を受けなければならない。
  4. G社(甲県知事免許)は、H社(国土交通大臣免許) に吸収合併され、消滅した。この場合、H社を代表する役員は、当該合併の日から30日以内にG社が消滅したことを国土交通大臣に届け出なければならない。

正解

正解は選択肢 1 です。

解説

正解は選択肢1です。宅地建物取引業法第11条第1項第1号および第2項に基づき、免許を受けた個人が死亡した場合、その相続人は死亡を知った日から30日以内に免許権者へ届け出る義務があります。これは宅建業者の死亡による免許失効を速やかに報告し、取引の安全を確保するための重要な規定です。

宅地建物取引業法 第11条(死亡等の届出) 第1項:免許を受けた宅地建物取引業者(個人であるものに限る。)が死亡した場合においては、その相続人は、その死亡を知つた日から30日以内に、その旨を国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。 第2項:前項の規定による届出があつたときは、その免許は、その効力を失う。 (補足説明) 宅建業法では、宅建業者が一定の事由に該当した場合、その旨を免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)に届け出る義務を課しています。これは、免許の効力に影響を与える重要な事実を速やかに報告させ、宅建業者の実態を正確に把握し、取引の安全を確保するためです。特に、個人の死亡や法人の合併・破産などは、免許の効力が失われる事由となるため、届出義務が厳格に定められています。 宅地建物取引業法 第2条(定義) この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。)の売買若しくは交換をする行為で業として行うもの又は宅地若しくは建物(建物の一部を含む。)の売買、交換若しくは賃貸の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。 (補足説明) 「宅地建物取引業」に該当するかどうかの判断は非常に重要です。ポイントは「業として行う」ことと、その行為が「自ら売買・交換」または「他人の売買・交換・賃貸の代理・媒介」であることです。「自ら賃貸」は宅地建物取引業には含まれません。この点をしっかりと押さえておきましょう。

【選択肢1】正。 宅地建物取引業法第11条第1項第1号および第2項に規定されています。免許を受けていた個人が死亡した場合、その相続人は、死亡の事実を知った日から30日以内に、その旨を免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事(免許権者)に届け出なければなりません。この届出により、その免許は効力を失います。本選択肢は、この条文の内容に合致しており、正しい記述です。死亡届出義務は、宅建業者の実態を正確に把握し、取引の安全を確保するための重要なルールです。 【選択肢2】誤。 宅地建物取引業法第2条第1号に定める「宅地建物取引業」の定義を確認しましょう。宅地建物取引業とは、「宅地若しくは建物」について「自ら売買若しくは交換」または「他人が売買、交換若しくは賃貸の代理若しくは媒介」を「業として行う」ことを指します。Cは自己所有の宅地を駐車場として整備し、「賃貸」を業として行っていますが、「自ら賃貸」は宅地建物取引業の定義に含まれません。したがって、Cは免許を受ける必要はありません。D社に媒介を依頼したとしても、C自身の行為が宅建業に該当しないため、Cが免許を受ける義務は生じません。この「自ら賃貸は宅建業ではない」という点は、宅建業法の基本中の基本ですので、確実に覚えておきましょう。 【選択肢3】誤。 Eは自己所有のビルを賃貸しているだけであり、「自ら賃貸」は宅地建物取引業に該当しないため、免許を受ける必要がないという点は正しいです。しかし、Fがビルを賃借し、それを不特定多数の者に反復継続して「転貸」する場合、この「転貸」はFの立場から見れば「自ら賃貸」に該当します。前述の通り、「自ら賃貸」は宅地建物取引業の定義に含まれませんので、Fも免許を受ける必要はありません。したがって、「Fは免許を受けなければならない」という記述が誤りです。賃貸借契約における「転貸」も、あくまで「自ら賃貸」の範疇に入るため、免許は不要となります。 【選択肢4】誤。 宅地建物取引業法第11条第1項第2号および第2項に規定されています。法人が合併により消滅した場合、その法人を代表する役員であった者は、合併の日から30日以内に、その旨を免許権者に届け出なければなりません。G社は「甲県知事免許」であるため、その免許権者は「甲県知事」です。したがって、G社が消滅したことの届出先は、G社の免許権者である「甲県知事」であり、「国土交通大臣」ではありません。届出先が誤っているため、本選択肢は誤りです。届出先は、消滅した宅建業者が受けていた免許の権者(大臣免許なら国土交通大臣、知事免許なら都道府県知事)となる点に注意が必要です。

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