宅建 令和6年度(2024年)問38 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者Aが、免許の更新の申請をした場合において、従前の免許の有効期間の満了の日までに、その申請について処分がなされないときは、従前の免許は、有効期間の満了後その効力を失う。
- 宅地建物取引業者Bが宅地建物取引業者Cに自己の名義をもって宅地建物取引業を営ませる行為は、Bが名義の使用を書面で指示している場合であれば、宅地建物取引業法に違反しない。
- 宅地建物取引業者D(甲県知事免許)は、国土交通大臣に免許換えの申請をし、その免許を受けなければ、乙県所在の宅地の売買の媒介をすることはできない。
- 宅地建物取引業者E(丙県知事免許)の免許の更新に当たって、丙県知事は宅地建物取引業法第3条の2に基づき条件を付すことができ、Eが免許の更新に当たって付された条件に違反したときは、丙県知事はEの免許を取り消すことができる。
正解
正解は選択肢 4 です。
解説
正解は選択肢4です。宅地建物取引業法第3条の2により、免許には条件を付すことができ、その条件に違反した場合は、同法第66条第1項第10号に基づき免許を取り消すことができるため、本記述は正しいです。
宅地建物取引業法(宅建業法)は、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、取引の公正と円滑を図ることを目的とした法律です。この問題では、特に免許に関する以下の条文がポイントとなります。 * **宅地建物取引業法第3条第1項(免許の区分)**: 宅地建物取引業を営む者は、事務所の所在地に応じて、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けなければなりません。事務所が1つの都道府県内にある場合は都道府県知事免許、2つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣免許となります。 * **宅地建物取引業法第3条第3項(免許の更新の効力)**: 免許の更新申請があった場合、従前の免許の有効期間が満了しても、その申請に対する処分がされるまでの間は、従前の免許の効力は失われません。 * **宅地建物取引業法第3条の2(免許の条件)**: 国土交通大臣または都道府県知事は、免許に条件を付し、またはこれを変更することができます。 * **宅地建物取引業法第12条(名義貸しの禁止)**: 宅地建物取引業者は、自己の名義をもって他人に宅地建物取引業を営ませてはなりません。これは、無免許業者による不当な取引を防ぐための重要な規定です。 * **宅地建物取引業法第66条第1項第10号(免許取消し)**: 宅地建物取引業者が、宅建業法の規定に基づく命令または宅建業法に基づいてする処分(免許に付された条件もこれに該当します)に違反したときは、その免許を取り消すことができるとされています。
【選択肢1】誤り。 宅地建物取引業者Aが免許の更新申請をした場合、宅建業法第3条第3項の規定により、従前の免許の有効期間が満了しても、その申請に対する処分がされるまでの間は、従前の免許は効力を失いません。これは、更新手続きに時間がかかっても、業者が一時的に無免許状態になることを避けるための規定です。したがって、「有効期間の満了後その効力を失う」とする本記述は誤りです。 【選択肢2】誤り。 宅建業法第12条は、宅地建物取引業者が自己の名義をもって他人に宅地建物取引業を営ませる「名義貸し」を明確に禁止しています。これは、無免許業者が免許業者を装って取引を行うことを防ぎ、消費者を保護するための重要な規定です。たとえ名義の使用を書面で指示していたとしても、名義貸しであることに変わりはなく、宅建業法に違反します。したがって、「宅地建物取引業法に違反しない」とする本記述は誤りです。 【選択肢3】誤り。 宅建業法第3条第1項によれば、宅地建物取引業の免許は「事務所の所在地」によって区分されます。Dが甲県知事免許であるということは、Dの事務所が甲県内にのみ存在することを意味します。この場合、Dは甲県知事免許のままで、乙県所在の宅地の売買の媒介を行うことができます。免許換えが必要となるのは、乙県に新たに事務所を設置する場合や、甲乙両県に事務所を設置して事業を行う場合など、事務所の所在地が複数の都道府県にまたがるときです。したがって、「国土交通大臣に免許換えの申請をし、その免許を受けなければ、乙県所在の宅地の売買の媒介をすることはできない」とする本記述は誤りです。 【選択肢4】正しい。 宅建業法第3条の2により、国土交通大臣または都道府県知事は、免許に条件を付すことができます。これは、免許の適正な運用を確保するために必要な措置です。また、宅建業法第66条第1項第10号は、宅地建物取引業者が宅建業法に基づいてする処分(免許に付された条件もこれに該当します)に違反した場合、免許を取り消すことができると定めています。したがって、丙県知事が免許の更新に際して条件を付すことができ、その条件にEが違反した場合には免許を取り消すことができる、とする本記述は正しいです。