宅建 令和3年度(2021年)問15 法令上の制限 の解説
問題
次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 地区計画については、都市計画に、当該地区計画の目標を定めるよう努めるものとされている。
- 地区計画については、都市計画に、区域の面積を定めるよう努めるものとされている。
- 地区整備計画においては、市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無を定めることができる。
- 地区整備計画においては、建築物の建蔽率の最高限度を定めることができる。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。地区整備計画は、特定の地区における建築物等の詳細なルールを定めるものですが、市街化区域と市街化調整区域の区分(いわゆる「線引き」)は、都市計画区域全体の土地利用の根幹を定める都市計画法第7条に基づく広域的な決定事項であり、地区整備計画で定めることはできません。この点が誤りとなります。
都市計画法第12条の5(地区計画の内容) 第1項:地区計画については、都市計画に、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。 一 当該地区計画の目標 二 当該地区計画の区域の面積 第2項:地区整備計画においては、次に掲げる事項のうち必要なものを定めるものとする。 一 建築物の用途の制限、建築物の容積率の最高限度又は最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度、建築物の高さの最高限度又は最低限度、建築物の敷地面積の最低限度、壁面の位置の制限、建築物の構造に関する事項、建築物の形態又は色彩その他の意匠の制限、建築物の緑化率の最低限度その他建築物に関する事項 二 垣又は柵の構造に関する事項 三 土地の区画形質の変更に関する事項 四 道路、公園、広場その他の公共施設の配置及び規模に関する事項 都市計画法第7条(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針) 第1項:都市計画区域については、都市計画に、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めるものとする。 第2項:前項の方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 都市計画区域の整備、開発及び保全に関する基本的な方針 二 主要な都市施設の配置に関する方針 三 市街化区域と市街化調整区域との区分の決定の有無及び当該区分を決定する際の方針 【補足説明】 都市計画法第12条の5は、地区計画の内容を定めています。第1項は地区計画全体として都市計画に定めるべき事項(努力義務)、第2項は地区整備計画で具体的に定めることができる事項(建築物のルールなど)を列挙しています。一方、都市計画法第7条は、都市計画区域全体のマスタープランともいえる「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」について定めており、その中で市街化区域と市街化調整区域の区分(線引き)を定めることになっています。地区計画は、この線引きされた区域の中で、さらに詳細な街づくりのルールを定めるものであり、線引きそのものを変更する権限はありません。
【選択肢1】正。都市計画法第12条の5第1項第1号において、「当該地区計画の目標」を都市計画に定めるよう努めるものと規定されています。地区計画は、その地区の特性に応じた良好な環境形成を目指すため、どのような街にしたいのかという目標を明確にすることが重要とされています。 【選択肢2】正。都市計画法第12条の5第1項第2号において、「当該地区計画の区域の面積」を都市計画に定めるよう努めるものと規定されています。地区計画が適用される範囲を明確にすることは、計画の具体性や適用関係を理解する上で不可欠です。 【選択肢3】誤。地区整備計画で定めることができる事項は、都市計画法第12条の5第2項に具体的に列挙されています。これには建築物の用途、容積率、建蔽率、高さの制限など、地区内の建築行為や土地利用に関する詳細なルールが含まれます。しかし、市街化区域と市街化調整区域との区分(いわゆる「線引き」)は、都市計画法第7条に基づき、都市計画区域全体の整備、開発及び保全の方針として定めるべき広域的かつ根幹的な事項です。地区計画は、この線引きされた区域の中で、さらに詳細な街づくりのルールを定めるものであり、線引き自体を決定したり変更したりする権限はありません。したがって、地区整備計画で市街化区域と市街化調整区域の区分を定めることはできません。 【選択肢4】正。都市計画法第12条の5第2項第1号において、地区整備計画で定めることができる事項として「建築物の建蔽率の最高限度」が明記されています。地区計画では、良好な市街地環境を形成するために、建築物の建蔽率(敷地面積に対する建築面積の割合)を制限し、空地を確保するといった詳細なルールを定めることが可能です。