宅建 令和3年度10月(2021年)問40 宅建業法 の解説

問題

次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならないが、支店及び案内所には備え付ける必要はない。
  2. 成年である宅地建物取引業者は、宅地建物取引業の業務に関し行った行為について、行為能力の制限を理由に取り消すことができる。
  3. 宅地建物取引業者は、一団の宅地建物の分譲をする場合における当該宅地又は建物の所在する場所に国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。
  4. 宅地建物取引業者は、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密に関し、税務署の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたときであっても、回答してはならない。

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

選択肢3が正解です。

【選択肢1】 宅地建物取引業法第49条は、宅地建物取引業者が「その事務所ごとに」帳簿を備え、取引のあったつど所定の事項を記載する義務を定めています。支店は事務所に該当するため、帳簿を備え付ける必要があります。したがって、支店に備え付ける必要はないとする記述は誤りです。 【選択肢2】 民法第4条により、満18歳をもって成年とします。成年者は完全な行為能力を有するため、宅地建物取引業の業務に関し行った行為について、行為能力の制限を理由に取り消すことはできません。行為能力の制限を理由とする取消しは、未成年者や成年被後見人などに認められるものです。 【選択肢3】 宅地建物取引業法第50条第2項は、宅地建物取引業者が事務所等以外の場所で業務を行う場合、国土交通省令で定める標識を掲示しなければならないと規定しています。一団の宅地建物の分譲を行う場所はこれに該当し、標識の掲示義務があります。これは、取引の相手方に対し、当該業者が宅地建物取引業者であることを明示し、信頼性を確保するための規定です。 【選択肢4】 宅地建物取引業法第45条は、宅地建物取引業者に秘密保持義務を課していますが、「正当な理由がある場合」はこの義務の例外となります。税務署の職員が国税通則法等の規定に基づき質問検査権を行使する場合、これは正当な理由に該当するため、宅地建物取引業者は回答を拒否することはできません。秘密保持義務は絶対的なものではなく、公益上の要請等により制限されることがあります。

条文・判例に基づく判断です。

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