宅建 令和2年度(2020年)問29 宅建業法 の解説

問題

次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

正解は選択肢3です。与えられた4つの記述のうち、記述1が誤りであり、記述2、3、4が正しい内容です。宅地建物取引業の定義、免許の更新手続き、宅地建物取引士の設置義務、そして営業保証金供託後の届出義務は、宅建業法の根幹をなす重要事項であり、合格のためには確実に理解しておく必要があります。

本問の解説は、以下の宅地建物取引業法(以下「法」)の規定に基づいています。 * **法第2条第1号**:宅地建物取引業の定義に関する規定です。特に「報酬を得て」という点が重要です。 * **法第3条第2項**:宅地建物取引業の免許の有効期間に関する規定です。有効期間は5年と定められています。 * **法第4条第1項**:免許の更新申請に関する規定です。更新申請の期間が具体的に定められています。 * **法第31条の3第1項**:宅地建物取引士の設置義務に関する規定です。事務所等における専任の宅地建物取引士の設置割合が定められています。 * **法第27条**:営業保証金の供託義務に関する規定です。免許を受けた宅地建物取引業者が供託すべき保証金について定めています。 * **法第28条**:営業保証金供託後の届出義務および事業開始の制限に関する規定です。供託後の手続きと、それが事業開始の要件となることを定めています。

【記述1】誤。宅地建物取引業とは、宅地又は建物の売買若しくは交換を業として行う行為をいい、報酬を得て行うか否かは問わない。 * **解説**:この記述は誤りです。宅地建物取引業の定義は、法第2条第1号に定められています。具体的には、「宅地若しくは建物の売買若しくは交換をすること又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をすること」を「業として行う」ことを指します。ここでいう「業として行う」とは、単に反復継続して行うだけでなく、「不特定多数の者を相手に、反復継続して、かつ『報酬を得て』行うこと」が要件となります。記述では「報酬を得て行うか否かは問わない」としている点が、宅地建物取引業の重要な要件である「報酬性」を否定しているため、誤りとなります。自己物件の売買であっても、反復継続性があり、かつ報酬を得て行う場合は宅地建物取引業に該当します。 【記述2】正。宅地建物取引業の免許の有効期間は5年であり、有効期間満了後も引き続き宅地建物取引業を営もうとする者は、有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許の更新の申請をしなければならない。 * **解説**:この記述は正しいです。法第3条第2項により、宅地建物取引業の免許の有効期間は「5年」と明確に定められています。また、法第4条第1項では、有効期間満了後も引き続き宅地建物取引業を営もうとする者は、有効期間満了の日の「90日前から30日前までの間」に免許の更新の申請をしなければならないと規定されています。この期間を過ぎてしまうと、免許が失効し、無免許営業となってしまうため、非常に重要な手続きです。記述の内容は、有効期間と更新申請期間のいずれも正確に述べており、正しい記述となります。 【記述3】正。宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、専任の宅地建物取引士を、業務に従事する者の数5人につき1人以上の割合で置かなければならない。 * **解説**:この記述は正しいです。法第31条の3第1項により、宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(具体的には、継続的に業務を行うことができる場所として政令で定めるもの、例えば案内所等)ごとに、「専任の宅地建物取引士」を、「業務に従事する者の数5人につき1人以上」の割合で置かなければならないと規定されています。この「専任」とは、その事務所に常勤し、専ら宅地建物取引業の業務に従事することを意味します。宅地建物取引士の設置は、適正な取引の確保と消費者保護のために非常に重要な義務であり、記述の内容はすべて正確です。 【記述4】正。宅地建物取引業者は、営業保証金を供託したときは、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければ、事業を開始することができない。 * **解説**:この記述は正しいです。法第27条により、宅地建物取引業者は、免許を受けた日から3か月以内に営業保証金を供託しなければなりません。そして、法第28条第1項では、営業保証金を供託したときは、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に「届け出なければならない」と規定されています。さらに、同条第2項により、この届出をしなければ「事業を開始することができない」と明確に定められています。これは、宅地建物取引業者が万が一の損害賠償責任を負った際に、顧客がその保証金から弁済を受けられるようにするための重要な顧客保護措置です。記述の内容は、供託後の届出義務と、それが事業開始の要件となることの両方を正確に述べており、正しい記述となります。

令和2年度の過去問を模擬試験形式で解く