宅建 令和1年度(2019年)問26 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、自己の名義をもって、他人に、宅地建物取引業を営む旨の表示をさせてはならないが、宅地建物取引業を営む目的をもってする広告をさせることはできる。
- 宅地建物取引業とは、宅地又は建物の売買等をする行為で業として行うものをいうが、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。
- 宅地建物取引業の免許を受けていない者が営む宅地建物取引業の取引に、宅地建物取引業者が代理又は媒介として関与していれば、当該取引は無免許事業に当たらない。
- 宅地建物取引業者の従業者が、当該宅地建物取引業者とは別に自己のために免許なく宅地建物取引業を営むことは、無免許事業に当たる。
正解
正解は選択肢 4 です。
解説
正解は選択肢4です。宅地建物取引業の免許は、法人または個人事業主に対して与えられるものであり、従業員が自己のために免許なく宅地建物取引業を営むことは、宅地建物取引業法第12条に定める無免許事業に該当します。
<ul><li><b>宅地建物取引業法 第2条第2号(宅地建物取引業の定義)</b>:宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。<ul><li>補足:ここでいう「建物」には、建物全体だけでなく、区分所有建物の一室のような建物の一部も含まれます。</li></ul></li><li><b>宅地建物取引業法 第12条(無免許事業の禁止)</b>:免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。<ul><li>補足:宅建業を「業として」行うには免許が必須です。免許を持たない者が業として行う行為はすべて無免許事業となります。</li></ul></li><li><b>宅地建物取引業法 第13条(名義貸しの禁止)</b>:宅地建物取引業者は、自己の名義をもって、他人に、宅地建物取引業を営ませてはならない。<ul><li>補足:名義貸しは、免許を持つ者がその名義を他人に利用させ、実質的に無免許者が宅建業を営むことを許す行為であり、厳しく禁止されています。広告行為も「宅地建物取引業を営む」行為の一部とみなされます。</li></ul></li></ul>
【選択肢1】誤。 宅地建物取引業法第13条は、宅地建物取引業者が「自己の名義をもって、他人に、宅地建物取引業を営ませてはならない」と規定し、名義貸しを禁止しています。ここでいう「宅地建物取引業を営む」行為には、単に契約を締結する行為だけでなく、顧客の勧誘や広告活動といった準備行為も含まれます。したがって、宅地建物取引業を営む目的をもってする広告を他人にさせることも、実質的な名義貸しに該当し、禁止されます。広告は宅地建物取引業を営む行為の一部とみなされるため、名義貸しの禁止の対象となります。 【選択肢2】誤。 宅地建物取引業法第2条第2号において、宅地建物取引業とは「宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」と定義されています。ここでいう「建物」には、建物全体だけでなく、区分所有建物の一室(マンションの一室など)のような建物の一部も含まれます。したがって、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に該当します。この選択肢の記述は、宅地建物取引業の定義を誤解しています。 【選択肢3】誤。 宅地建物取引業法第12条は、免許を受けない者が宅地建物取引業を営むことを禁止しています(無免許事業の禁止)。無免許事業者が自ら取引の当事者として、または取引を営む主体として関与している場合、その取引は無免許事業に該当します。たとえ宅地建物取引業者がその取引に代理または媒介として関与していたとしても、無免許事業者の行為が合法化されるわけではありません。無免許事業者が「業として」取引を行っている限り、その取引は無免許事業に当たります。宅建業者が関与することで、無免許事業者の違法行為が免責されることはありません。 【選択肢4】正。 宅地建物取引業の免許は、法人または個人事業主に対して与えられるものであり、その従業員個人に与えられるものではありません。従業員が、所属する宅地建物取引業者の業務として取引を行う場合は、その業者の免許の下で業務を行います。しかし、従業員が「当該宅地建物取引業者とは別に自己のために」、つまり独立した主体として、かつ「免許なく」宅地建物取引業を「業として」営むことは、宅地建物取引業法第12条に定める無免許事業に該当します。これは、免許を持たない者が宅建業を営むことを禁止する規定に直接違反する行為です。