宅建 平成30年度(2018年)問45 宅建業法 の解説

問題

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合及び新築住宅の売買の媒介をする場合において、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負う。
  2. 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、その住宅を引き渡した日から3週間以内に、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
  3. 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。
  4. 住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している宅地建物取引業者は、当該住宅を引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分の瑕疵によって生じた損害についてのみ保険金を請求することができる。

正解

正解は選択肢 3 です。

解説

正解は選択肢3です。特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)第5条第1項及び第13条第1項に基づき、自ら売主となる宅地建物取引業者が基準日における供託または保険契約の状況を届け出ない場合、基準日の翌日から50日を経過した日以降は、新たに新築住宅の売買契約を締結することができなくなるという業務停止処分が課されます。これは、住宅の瑕疵担保責任の履行を確実に確保するための重要な規定です。

【根拠条文】 * **特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)** * **第3条第1項(供託義務)**: 宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を引き渡す場合、住宅の構造耐力上主要な部分等に生じた瑕疵に対する責任を履行するための資力確保措置(供託または保険契約)を講じなければなりません。 * **第4条第1項(届出義務)**: 宅地建物取引業者は、基準日(毎年3月31日と9月30日)ごとに、供託または保険契約の状況を、その免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に届け出なければなりません。届出期限は基準日の翌日から3週間以内です。 * **第5条第1項(業務停止処分)**: 前条の届出をしない宅地建物取引業者は、基準日の翌日から50日を経過した日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができません。これは、義務の履行を促すための行政処分です。 * **第10条第1項(保険契約の対象)**: 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、住宅の構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分の瑕疵によって生じた損害を填補するものです。 * **第11条第1項(保険契約の締結義務)**: 宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を引き渡す場合、保険契約を締結しなければなりません。

【選択肢1】誤。 住宅瑕疵担保履行法において、住宅販売瑕疵担保保証金の供託または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負うのは、「自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者」に限られます(住宅瑕疵担保履行法第3条第1項、第11条第1項)。これは、売主が瑕疵担保責任を負う立場にあるためです。「新築住宅の売買の媒介をする場合」は、媒介業者にこの義務は課されません。媒介業者は、売主がこの義務を履行しているかを確認し、買主に説明する義務はありますが、自らが供託や保険契約を行う義務はありませんので、この記述は誤りです。 【選択肢2】誤。 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者が、供託または保険契約の状況について届け出る義務があるのは正しいですが、そのタイミングが誤っています。届出は「その住宅を引き渡した日から3週間以内」ではなく、「基準日(毎年3月31日と9月30日)ごとに、その基準日の翌日から3週間以内」に行う必要があります(住宅瑕疵担保履行法第4条第1項、第12条第1項)。個別の引き渡しごとではなく、半期ごとの状況報告が求められるため、この記述は誤りです。 【選択肢3】正。 この記述は、住宅瑕疵担保履行法第5条第1項及び第13条第1項に規定されている内容そのものです。自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者が、基準日(3月31日、9月30日)に係る供託または保険契約の状況について届出を怠った場合、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日(例えば、3月31日基準日なら5月20日、9月30日基準日なら11月19日)以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができなくなります。これは、義務の履行を促すための強力な行政処分であり、試験でも頻出の重要なポイントです。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢4】誤。 住宅販売瑕疵担保責任保険契約の対象となる瑕疵は、「住宅の構造耐力上主要な部分」だけでなく、「雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵によって生じた損害も含まれます(住宅瑕疵担保履行法第2条第5項、第10条第1項)。また、保険金を請求できるのは、瑕疵によって損害を被った「買主」または「保険法人」であり、保険契約を締結した「宅地建物取引業者(売主)」ではありません。売主は保険料を支払い、保険契約を締結する義務を負いますが、保険金を受け取る立場にはありません。したがって、この記述は誤りです。

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