宅建 平成28年度(2016年)問50 税・その他 の解説
問題
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄骨造は、自重が大きく、靱性が小さいことから、大空間の建築や高層建築にはあまり使用されない。
- 鉄筋コンクリート造においては、骨組の形式はラーメン式の構造が一般に用いられる。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造にさらに強度と靱性を高めた構造である。
- ブロック造を耐震的な構造にするためには、鉄筋コンクリートの布基礎及び臥梁により壁体の底部と頂部を固めることが必要である。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。鉄骨造は、鋼材の特性により自重が比較的軽く、靱性(粘り強さ)に優れているため、大空間や高層建築に広く用いられる構造です。選択肢の記述は鉄骨造の特性と逆であり、不適当な内容です。
本問は、建築基準法に基づく建築物の構造に関する一般的な知識を問うものです。特定の条文番号を直接引用するものではありませんが、建築基準法第20条(構造耐力)や同法施行令第3章(構造強度)において、建築物の構造耐力に関する基準が定められており、各構造形式の特性理解はその前提となります。特に、鉄骨造の特性は、高層建築物等における構造計算の基礎となる重要な要素です。
【選択肢1】誤。鉄骨造(S造)は、鋼材を主要な構造部材とする構造です。鋼材は、コンクリートに比べて単位体積あたりの重量が軽く、また非常に高い靱性(粘り強さ、変形能力)を持っています。この特性から、鉄骨造は自重が比較的軽く、地震時の揺れに対して粘り強く抵抗できるため、大スパン(大空間)の建築物や、超高層建築物において広く採用されています。選択肢の「自重が大きく、靱性が小さい」という記述は、鉄骨造の特性とは真逆であり、不適当です。 【選択肢2】正。鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋とコンクリートを一体化させた構造です。このRC造において、柱と梁を剛接合(一体化して接合)し、外力(地震力や風圧など)に対して骨組全体で抵抗する構造形式を「ラーメン構造」と呼びます。ラーメン構造は、RC造の特性を最大限に活かし、高い剛性と耐震性を確保できるため、一般的に広く用いられています。 【選択肢3】正。鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、鉄骨の周りに鉄筋を配置し、さらにコンクリートで一体化した構造です。この構造は、鉄骨の持つ高い強度と靱性、そして鉄筋コンクリートの持つ剛性と耐火性を兼ね備えています。そのため、鉄筋コンクリート造(RC造)と比較して、さらに高い強度と靱性を持つことができ、特に高層建築物や大スパン建築物において、より優れた構造性能を発揮します。 【選択肢4】正。ブロック造は、コンクリートブロックを積み上げて壁体を構成する構造です。ブロック単体では地震力に対して弱いため、耐震性を確保するためには、壁体の底部と頂部を強固に一体化させることが不可欠です。具体的には、壁体の底部には鉄筋コンクリート製の「布基礎」を設け、壁体の頂部や開口部の上部には鉄筋コンクリート製の「臥梁(がりょう)」や「横筋コンクリート」を設けて、これらを一体化させます。これにより、壁体がバラバラになるのを防ぎ、地震力に対して一体的に抵抗できる構造となります。これは、建築基準法施行令第62条の8(補強コンクリートブロック造の構造耐力)の趣旨にも合致する考え方です。