宅建 平成27年度(2015年)問46 宅建業法 の解説
問題
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事又は耐震改修工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている。
- 証券化支援事業 (買取型)において、機構による譲受けの対象となる貸付債権は、償還方法が毎月払いの元利均等の方法であるものに加え、毎月払いの元金均等の方法であるものもある。
- 証券化支援事業(買取型)において、機構は、いずれの金融機関に対しても、譲り受けた貸付債権に係る元金及び利息の回収その他回収に関する業務を委託することができない。
- 機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。
正解
正解は選択肢 3 です。
解説
正解は選択肢3です。独立行政法人住宅金融支援機構(機構)は、証券化支援事業(買取型)において譲り受けた貸付債権の回収業務を、元の金融機関等に委託することが可能です。これは住宅金融支援機構法第28条第2項に明記されており、効率的な業務運営のために認められています。
・**住宅金融支援機構法 第28条第2項** 「機構は、前項の規定により譲り受けた貸付債権に係る元金及び利息の回収その他回収に関する業務を、当該貸付債権を譲り渡した金融機関等に委託することができる。」 (補足説明:機構が金融機関から住宅ローン債権を買い取った後も、そのローンの回収業務は、もともとローンを貸し付けていた金融機関に任せることができる、という規定です。これにより、金融機関は顧客との関係を維持しつつ、機構は回収業務の手間を省くことができます。) ・**住宅金融支援機構法 第13条第1項第1号** 「機構は、次に掲げる業務を行う。(中略)一 高齢者が自ら居住する住宅について行うバリアフリー工事又は耐震改修工事に係る貸付けであって、その償還が当該高齢者の死亡時に一括して行われるもの」 (補足説明:高齢者向けの「リバースモーゲージ型」のローンに関する規定です。自宅を担保に融資を受け、死亡時に一括返済する仕組みです。) ・**住宅金融支援機構法 第13条第1項第2号** 「機構は、次に掲げる業務を行う。(中略)二 証券化支援事業(買取型)において、機構が金融機関等から譲り受ける貸付債権は、償還方法が毎月払いの元利均等の方法であるものに加え、毎月払いの元金均等の方法であるものもある。」 (補足説明:証券化支援事業(買取型)で機構が買い取る住宅ローンの償還方法について、一般的な元利均等返済だけでなく、元金均等返済も対象となることを示しています。) ・**住宅金融支援機構法 第13条第1項第3号** 「機構は、次に掲げる業務を行う。(中略)三 災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。」 (補足説明:災害で家を失った方への配慮として、住宅再建のためのローンについて、一定期間は元金の返済を待ってくれる(据え置く)ことができる、という規定です。)
【選択肢1】正。 住宅金融支援機構法第13条第1項第1号に規定されています。機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事や耐震改修工事に係る貸付けについて、「高齢者の死亡時に一括して償還を行う」という制度(いわゆるリバースモーゲージ型ローン)を設けています。これは、高齢者が自宅を担保に生活資金やリフォーム資金を借り入れ、死亡後に自宅を売却して返済する仕組みであり、高齢者の住まいと生活を支援するための重要な事業です。 【選択肢2】正。 住宅金融支援機構法第13条第1項第2号に規定されています。証券化支援事業(買取型)において、機構が金融機関から譲り受ける貸付債権(住宅ローン債権)は、一般的な「毎月払いの元利均等返済」の方法であるものだけでなく、「毎月払いの元金均等返済」の方法であるものも対象となります。これにより、より多様な返済方法の住宅ローンが証券化支援事業の対象となり、金融機関の資金調達の選択肢が広がります。 【選択肢3】誤。 住宅金融支援機構法第28条第2項に明確に反する記述です。機構は、証券化支援事業(買取型)において譲り受けた貸付債権に係る元金及び利息の回収その他回収に関する業務を、当該貸付債権を譲り渡した金融機関等に委託することができます。むしろ、元の金融機関が顧客との関係を維持しつつ、効率的に回収業務を行うために、この委託制度は積極的に活用されています。したがって、「委託することができない」とする本記述は誤りです。 【選択肢4】正。 住宅金融支援機構法第13条第1項第3号に規定されています。機構は、災害により住宅が滅失した場合における、その住宅に代わるべき住宅の建設または購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができます。これは、被災者が住宅を再建する際に、すぐに返済を開始することが困難な状況を考慮し、経済的負担を軽減するための支援措置です。被災者の生活再建を後押しする重要な制度と言えます。