宅建 平成27年度(2015年)問32 宅建業法 の解説

問題

宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 建物の売買の媒介に関し、受領しようとする預り金について保全措置を講ずる場合において、預り金の額が売買代金の額の100分の10以下であるときは、その措置の概要を説明する必要はない。
  2. 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地について借地借家法第22条に規定する定期借地権を設定しようとするときは、その旨を説明しなければならない。
  3. 建物の貸借の媒介を行う場合、消費生活用製品安全法に規定する特定保守製品の保守点検に関する事項を説明しなければならない。
  4. 建物の貸借の媒介を行う場合、契約の期間については説明する必要があるが、契約の更新については、宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面への記載事項であり、説明する必要はない。

正解

正解は選択肢 2 です。

解説

正解は選択肢2です。宅地建物取引業法第35条第1項第2号及び同法施行規則第3条第1項第2号により、宅地の貸借の媒介において、借地借家法に規定する定期借地権を設定しようとするときは、その旨を重要事項として説明する義務があります。これは、契約の根幹に関わる重要な事項であり、借主の権利義務に大きな影響を与えるため、契約締結前に必ず説明しなければなりません。

・**宅地建物取引業法第35条第1項第2号**: 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借の媒介を行う場合、当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類、内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記載された所有者の氏名及び住所、その他政令で定める事項を説明しなければならないと定めています。 ・**宅地建物取引業法施行規則第3条第1項第2号**: 法第35条第1項第2号の「政令で定める事項」として、借地借家法に規定する定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権の別を説明事項としています。 ・**宅地建物取引業法第35条第1項第10号**: 宅地建物取引業者が受領しようとする金銭の額及びその金銭の預り金にあっては保全措置の概要を説明しなければならないと定めています。 ・**宅地建物取引業法施行規則第16条の2第1号**: 法第35条第1項第10号の預り金等の保全措置の概要は、金額の多寡にかかわらず説明義務があることを明確にしています。 ・**宅地建物取引業法第35条第1項第14号**: 建物の売買又は交換の媒介を行う場合、消費生活用製品安全法に規定する特定保守製品の保守点検に関する事項を説明しなければならないと定めています。 ・**宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3**: 法第35条第1項第14号の特定保守製品の保守点検に関する事項は、建物の売買又は交換の場合に適用されることを示しています。 ・**宅地建物取引業法第37条**: 契約の成立後、宅地建物取引業者が交付すべき書面(いわゆる「37条書面」または「契約書」)の記載事項を定めており、重要事項説明(35条書面)とは別の義務です。

【選択肢1】誤。 建物の売買の媒介において、宅地建物取引業者が買主から受領しようとする預り金について保全措置を講ずる場合、その保全措置の概要は、預り金の額が売買代金の額の100分の10以下であるかどうかにかかわらず、必ず説明しなければならない重要事項です(宅地建物取引業法第35条第1項第10号、同法施行規則第16条の2第1号)。預り金は買主にとって重要な金銭であり、その保全措置の有無や内容は、金額の大小にかかわらず買主が知るべき情報だからです。「説明する必要はない」としている点が誤りです。この点は、金額の多寡にかかわらず説明義務があることをしっかり覚えておきましょう。 【選択肢2】正。 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地について借地借家法第22条に規定する定期借地権を設定しようとするときは、その旨を重要事項として説明しなければなりません(宅地建物取引業法第35条第1項第2号、同法施行規則第3条第1項第2号)。定期借地権は、契約期間の満了により更新がなく、建物買取請求権も発生しないなど、通常の借地権とは異なる特別な性質を持つため、借主の権利義務に大きな影響を与えます。そのため、その設定の有無は、借主が契約を締結するか否かを判断する上で極めて重要な情報となります。これは、借主の保護を目的とした重要な説明義務です。 【選択肢3】誤。 消費生活用製品安全法に規定する特定保守製品の保守点検に関する事項は、建物の「売買」または「交換」の媒介を行う場合の重要事項説明事項です(宅地建物取引業法第35条第1項第14号)。建物の「貸借」の媒介を行う場合には、この説明義務は課されていません。特定保守製品は、経年劣化により重大な危害を及ぼすおそれがある製品であり、売買・交換においては所有者が変わるため、新たな所有者に対して安全確保のための情報提供が必要とされますが、貸借においては所有権の移転がないため、重要事項説明の対象外とされています。売買・交換と貸借で説明義務の有無が異なる点に注意しましょう。 【選択肢4】誤。 建物の貸借の媒介を行う場合、契約の期間に関する事項は重要事項説明事項です(宅地建物取引業法第35条第1項第2号、同法施行規則第3条第1項第2号)。また、契約の更新に関する事項も同様に重要事項説明事項であり、説明する必要があります。宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(いわゆる「37条書面」または「契約書」)への記載事項であることと、第35条の規定による重要事項説明は、それぞれ目的とタイミングが異なる別の義務です。35条説明は契約締結前に買主・借主の判断材料を提供するためのものであり、37条書面は契約内容を明確化し、後日の紛争を防止するためのものです。したがって、37条書面に記載されるからといって、35条説明が不要になるわけではありません。両者の違いをしっかり理解しておくことが重要です。

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