宅建 平成24年度(2012年)問29 宅建業法 の解説
問題
宅地建物取引業者A社が、宅地建物取引業者でないBから自己所有の土地付建物の売却の媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
- A社がBと専任媒介契約を締結した場合、当該土地付建物の売買契約が成立したときは、A社は、遅滞なく、登録番号、取引価格及び売買契約の成立した年月日を指定流通機構に通知しなければならない。
- A社がBと専属専任媒介契約を締結した場合、A社は、Bに当該媒介業務の処理状況の報告を電子メールで行うことはできない。
- A社が宅地建物取引業者C社から当該土地付建物の購入の媒介を依頼され、C社との間で一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結した場合、A社は、C社に法第34条の2の規定に基づく書面を交付しなければならない。
- A社がBと一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結した場合、A社がBに対し当該土地付建物の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。専属専任媒介契約における業務処理状況の報告は、書面だけでなく電子メールなどの電磁的方法によっても行うことが認められています(宅地建物取引業法施行規則第15条の10)。したがって、「電子メールで行うことはできない」とする選択肢2は誤りとなります。
【宅地建物取引業法第34条の2(媒介契約)】 媒介契約に関する規定で、媒介契約の種類(一般、専任、専属専任)に応じた義務が定められています。特に、専任媒介契約や専属専任媒介契約においては、指定流通機構への登録義務や、依頼者への業務処理状況報告義務などが課せられます。 【宅地建物取引業法施行規則第15条の10(媒介業務の処理状況の報告方法)】 宅地建物取引業法第34条の2第6項(専任媒介契約)及び第9項(専属専任媒介契約)に規定される業務の処理状況の報告は、書面または電磁的方法(電子メール等)により行うことができると明記されています。これは、IT化の進展に対応し、より柔軟な報告方法を認める趣旨です。
【選択肢1】正。 A社がBと専任媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業法第34条の2第8項により、当該土地付建物の売買契約が成立したときは、A社は遅滞なく、登録番号、取引価格、及び売買契約の成立した年月日を指定流通機構に通知しなければなりません。これは、専任媒介契約における重要な義務の一つであり、市場の透明性を確保し、二重契約などを防ぐ目的があります。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢2】誤。 A社がBと専属専任媒介契約を締結した場合、宅地建物取引業法第34条の2第9項により、A社は依頼者(B)に対し、1週間に1回以上、当該媒介業務の処理状況を報告する義務があります。この報告方法については、宅地建物取引業法施行規則第15条の10において、「書面又は電磁的方法により行うものとする」と明確に定められています。電磁的方法には電子メールも含まれますので、「電子メールで行うことはできない」とする記述は誤りです。この点は、試験でよく問われるポイントですので、書面だけでなく電磁的方法も認められていることをしっかり覚えておきましょう。 【選択肢3】正。 A社が宅地建物取引業者C社から当該土地付建物の購入の媒介を依頼され、C社との間で一般媒介契約を締結した場合でも、宅地建物取引業法第34条の2第1項の規定に基づき、A社はC社に媒介契約書面を交付しなければなりません。この媒介契約書面の交付義務は、依頼者が宅地建物取引業者であるか否かに関わらず適用されます。媒介契約の内容を明確にし、トラブルを未然に防ぐための重要なルールです。したがって、この記述は正しいです。 【選択肢4】正。 A社がBと一般媒介契約を締結した場合でも、宅地建物取引業法第34条の2第2項により、A社がBに対し当該土地付建物の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません。この義務は、媒介契約の種類(一般、専任、専属専任)に関わらず、すべての媒介契約において適用されます。依頼者が不当な価格で取引させられることを防ぎ、適正な取引を促すための規定です。したがって、この記述は正しいです。