宅建 平成23年度(2011年)問46 宅建業法 の解説
問題
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 機構は、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性に優れた住宅において、優良住宅取得支援制度を設けている。
- 機構は、証券化支援事業(保証型)において、高齢者が自ら居住する住宅に対してバリアフリー工事又は耐震改修工事を行う場合に、債務者本人の死亡時に一括して借入金の元金を返済する制度を設けている。
- 機構は、証券化支援事業(買取型) において、民間金融機関が貸し付ける長期・固定金利の住宅ローン債権を買取りの対象としている。
- 機構は、経済情勢の著しい変動に伴い、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった場合に、償還期間の延長等の貸付条件の変更を行っている。
正解
正解は選択肢 2 です。
解説
正解は選択肢2です。独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」)の「証券化支援事業(保証型)」は、民間金融機関の住宅ローンに対する保証を行う事業であり、債務者本人の死亡時に一括返済する制度は、主に「証券化支援事業(買取型)」における「高齢者向け返済特例制度(フラット35リ・バース60)」として提供されるため、記述が誤りとなります。この違いは、機構の事業内容を理解する上で非常に重要です。
本問の根拠となるのは、独立行政法人住宅金融支援機構法 第13条(業務の範囲)です。この条文は、機構がどのような業務を行うことができるかを定めており、特に第1項第2号で「証券化支援事業」について、イで「保証型」、ロで「買取型」を規定しています。また、第1項第3号では「貸付条件の変更」について規定しています。これらの条文を理解することで、機構の多岐にわたる業務内容を整理できます。
【選択肢1】正。 機構は、住宅の質の向上を目的として、バリアフリー性、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性などに優れた住宅の取得を支援する制度を設けています。代表的なものに「フラット35S」があり、これは通常の「フラット35」よりも低い金利が適用される優遇制度です。これは、独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第2号に定める証券化支援事業の一環として行われるもので、良質な住宅の普及を促進する機構の重要な業務の一つです。 【選択肢2】誤。 機構の「証券化支援事業(保証型)」は、民間金融機関が貸し付ける住宅ローンについて、機構がその債務を保証する事業です(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第2号イ)。これにより、民間金融機関は安心して住宅ローンを提供できます。一方、高齢者が自ら居住する住宅に対してバリアフリー工事や耐震改修工事を行う場合に、債務者本人の死亡時に一括して借入金の元金を返済する制度は、「高齢者向け返済特例制度(フラット35リ・バース60)」と呼ばれ、これは「証券化支援事業(買取型)」において機構が買い取った住宅ローン債権に対して適用される特約です(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第2号ロ)。つまり、「保証型」事業でこの制度を設けているとする記述は、事業の類型が異なるため誤りとなります。この違いは、試験で狙われやすいポイントなので、しっかり区別して覚えましょう。 【選択肢3】正。 機構の「証券化支援事業(買取型)」は、民間金融機関が貸し付ける長期・固定金利の住宅ローン(いわゆる「フラット35」)の債権を機構が買い取り、それを担保として債券を発行(証券化)することで、民間金融機関に新たな資金を供給する事業です(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第2号ロ)。この仕組みにより、民間金融機関は長期・固定金利の住宅ローンを安定的に供給することが可能となり、利用者は安心して住宅ローンを利用できます。これは機構の根幹をなす最も重要な業務の一つです。 【選択肢4】正。 機構は、災害や経済情勢の著しい変動などにより、住宅ローンの元利金の支払いが著しく困難となった債務者に対し、償還期間の延長、元金据置、金利の減免などの貸付条件の変更を行う制度を設けています(独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第3号)。これは、機構が直接貸し付けている融資(例:災害復興住宅融資)や、証券化支援事業(買取型)で買い取った住宅ローン債権について適用されます。住宅ローンの利用者が予期せぬ事態に直面した場合でも、生活再建を支援するためのセーフティネットとして機能する重要な業務です。