宅建 平成23年度(2011年)問18 法令上の制限 の解説
問題
建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、原則として、当該建築物の全部について防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
- 防火地域内においては、3階建て、延べ面積が200㎡の住宅は耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。
- 防火地域内において建築物の屋上に看板を設ける場合には、その主要な部分を難燃材料で造り、又はおおわなければならない。
- 防火地域にある建築物は、外壁が耐火構造であっても、その外壁を隣地境界線に接して設けることはできない。
正解
正解は選択肢 1 です。
解説
正解は選択肢1です。建築基準法第65条の原則規定により、建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合、その全体に防火地域内の厳しい規制が適用されるため、本記述は正しいです。この規定は、火災の延焼防止を徹底するための重要なルールとなります。
・建築基準法第65条(防火地域又は準防火地域内の建築物に対する制限の緩和) 【補足説明】この条文は、一つの建築物が異なる防火規制地域にまたがる場合の適用ルールを定めています。原則として、より厳しい防火地域の規定を全体に適用することで、火災時の安全性を確保しようとするものです。ただし、防火壁で完全に区画されていれば、その区画された部分については準防火地域の規定が適用されるという例外も存在します。 ・建築基準法第61条(防火地域内の建築物) 【補足説明】防火地域内における建築物の構造(耐火建築物等)に関する基本的な要件を定めています。火災の危険性が高い地域であるため、非常に厳しい規制が課せられます。 ・建築基準法第66条(防火地域又は準防火地域内の建築物の屋上に設ける広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物) 【補足説明】防火地域等に設置される屋上工作物の材料に関する規定です。火災時の落下物や延焼拡大を防ぐため、特定の材料の使用が義務付けられています。
【選択肢1】正。 建築基準法第65条に明確に規定されている通り、建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合、原則として、その建築物の全部について防火地域内の建築物に関する規定が適用されます。これは、火災の延焼防止という観点から、より厳しい規制が適用される防火地域の規定を全体に適用することで、建築物全体の安全性を高めるための原則です。ただし、防火壁によって完全に区画された部分が準防火地域内にある場合は、その部分については準防火地域内の規定が適用されるという例外もありますが、本選択肢は「原則として」と述べているため、正しい記述となります。 【選択肢2】誤。 建築基準法第61条により、防火地域内においては、地階を除く階数が3以上である建築物、または延べ面積が100㎡を超える建築物は、原則として「耐火建築物」としなければなりません。本選択肢の「3階建て、延べ面積が200㎡の住宅」は、地階を除く階数が3以上であり、かつ延べ面積が100㎡を超えるため、この条件に該当します。したがって、この住宅は「耐火建築物」とする必要があります。「準耐火建築物」では防火地域内の要件を満たせず、より厳しい「耐火建築物」の要件が求められます。したがって、本記述は誤りです。 【選択肢3】誤。 建築基準法第66条によれば、防火地域内において建築物の屋上に設ける広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、その高さが3mを超えるものについては、その主要な部分を「不燃材料」で造り、又はおおわなければなりません。選択肢では「難燃材料」とされていますが、これは誤りです。火災の延焼防止の観点から、より燃えにくい「不燃材料」(例:コンクリート、レンガ、瓦、石膏ボードなど)の使用が義務付けられています。難燃材料は不燃材料よりも燃えにくい程度が劣るため、防火地域内の屋上工作物には不適当とされます。 【選択肢4】誤。 建築基準法第61条第2項には、防火地域内にある建築物で、その外壁が耐火構造であるものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる、という特例が定められています。これは、耐火構造の外壁が火災の延焼を防止する効果を持つため、隣地との間に一定の距離を置く必要がないと判断されるためです。したがって、「外壁が耐火構造であっても、その外壁を隣地境界線に接して設けることはできない」とする本記述は、この特例に反するため誤りです。